2004.12.06

由布院視察 ~スタッフ日記スタート!(由利 吉隆)

みなさん、こんにちは。NPO法人ETIC.由利吉隆です。

ついに、ETIC.でもスタッフによるリレー形式のBLOGがスタートします。
実は、2年ほど前に同様のスタッフ日記を試みたケースもあったものの、人知れずフェードアウトしたという痛い経緯あり。。。

その教訓をフルに活かし、今回のBLOGを終了する際には声を大にして「限界!」と宣言して終了します(笑)。
もとい、過去の教訓を活かし、ETIC.の日々の活動を分かりやすく継続的に皆様にお届けできるように心がけます。皆様からの忌憚のないご意見、ご感想、ご提案、コラコラというツッコミ等、頂戴できれば幸いです。


さて、つい先週のこと。
我々が現在手がけている「チャレンジ・コミュニティ創成プロジェクト」の視察で、コミュニティをプロデュースしていく上での「極意」を学ばんと、大分県の由布院へ1泊2日で行って来ました。

みなさんご存知のとおり、由布院は「行きたい温泉地ランキング」堂々1位を誇る確固たる地位を現在では確立しています。しかし、40年前は全く無名の寂れた温泉地に過ぎませんでした。さらに、車で30分程の距離には、巨大温泉保養地:別府温泉もあります。

誰がいつ行動を起こし、何がきっかけとなって、どのようにして由布院が現在の姿にまで上りつめていったのか。
その答えに我々が今後展開していく「地域での若手人材育成、創業支援、コミュニティ形成」事業において、多くのヒントが存在すると考えたのです。

我々が日本全国のモデルCPと共に、1泊2日の限られた時間の中で、文字通り駆け足(アポイントに遅れそうになり、移動途中で猛ダッシュ×数度)で、インタビューさせていただいた由布院のキーパーソンは、、、

由布院総合観光事務所   :事務局長     米田 誠司  氏
山荘 無量塔(むらた)    :代表取締役    藤林 晃司  氏
由布院 玉の湯        :代表取締役社長 桑野 和泉  氏
株式会社 コアラ       :代表取締役社長 尾野 徹   氏
アトリエときデザイン研究所 :           時松 辰夫  氏
亀の井別荘          :代表取締役社長 中谷 健太郎 氏

総合観光事務所の米田氏のご尽力により、由布院を代表する老舗旅館の経営陣や、仕掛け人から直に話を伺う貴重な機会を得ました。
そのすべての内容をここにアップすると、1冊の本が優に書けるボリュームになってしまう。かつ、そんな分量を一発目で書いたりすると、この後に続く日記執筆者に余計なプレッシャーがかかってもいかん(笑)ので、今回は視察の概要に留めておきます。

■視察概要
12月1日午後 :由布院到着 → インタビュー×4人
       夜  :温泉もそっちのけで深夜まで事業企画MTG(~27時頃)
 
12月2日午前 :インタビュー×2人 → 立命館APUへ移動
       午後 :学食で昼食 → 学生を交えたイベント、副学長との面談等々
       夜  :最終便の飛行機で、それぞれの郷里へ

「行くからには何事も貪欲に取得せねば。。。」と貧乏根性全開のETIC.によって、限られた日程にギチギチに詰め込まれたスケジューリング。それを察してか、訪問先をアテンドいただいた総合観光事務所の米田氏も、時間の僅かな間隙をついて、「この方にも会っておいたほうがよいですよ」と、更なる訪問先をご紹介いただける。

我々のイベントでは毎度のことだが、「ゆとり」とか「旅情」とか「癒し」という言葉は微塵も感じられない。夕食後のMTGでは、素敵な和室の日本旅館にも関わらず、ノートPCがカチャカチャと並びだす。
ま、ホワイトボードやプロジェクターがないだけいいかもと思いつつも、気を緩めるとここはいったいどこなんだっけという錯覚に陥りました。ともすれば、東京の恵比寿のオフィスとあんまり変わらないんですが。。(笑)


キーパーソンへの個々のインタビュー時には、問題意識が高く、好奇心の塊のような参加者から矢継ぎ早に質問が出て、しばしば時間延長が余儀なくされました。
今回は、一人目にインタビューさせていただいた無量塔の藤林氏について、心に残った言葉を記載しておきます。

■視察について
世の中で成功事例と言われている地域に「視察」に行き、単なる上っ面の現象を繰り返し見たとしても何の意味はなく、自分達なりの軸となる思想や哲学を持って、見聞したものを如何に「編集」「加工」し、具体的に行動していくかがプロデューサーには問われている。と、いきなりのありがたい牽制球を冒頭に頂戴しました。

「時代背景を認識した上で、自分の役割を認識する。」
これは、絶えず変化する景気や状況、人々の嗜好性を大局的に捉え、その中での自分の「立ち位置」を明確化していく姿勢。安易に時代に迎合するのではなく、自らのオリジナリティや得意分野、存在意義を認識し、信念を持って、100年先の未来をイメージして長期的見地から行動することの重要性。

■ライフスタイルを提案できる日本旅館
藤林氏によると、日本には、「ライフスタイルが提案できる旅館」がまだ存在しない。
己の役割としては、宿泊者に対し、こういう家を作りたいな、こういう生き方をしたいなという「生活の提案」が出来る空間を提供すること。
あえて由布院の中心地から少し離れた立地で、充分な部屋のスペースを取り、各部屋には囲炉裏のある和風な作りながらも、一方では、どでかいスピーカーから優しいクラッシック音楽が心地よく流れてくる。その和洋が、見事に調和している。洋式のものをそのまま使うのではない。藤林氏は自分なりに、日本なりに「加工」して、無量塔ならではのオリジナル空間をここに作り上げている。

■宿泊される方について
様々な状況を抱えた方がこの宿に来て、この大きな窓から、この秋の景色を見た時に、
「ああ、日本っていいな~。自然って素敵だな。」と、生きていることの幸せを、心からしみじみと感じられる空間をつくる仕事をしたいですね。。。
と、ゆっくりと話される藤林氏の眼差しは、窓の外の真っ赤に色づく紅葉の庭を通り越し、万人の心の底辺に共通しうる正しい価値観の下、独りよがりに陥らないバランスを保ちながら、その遥か向こうにある「藤林オリジナル」の世界を、確かに見据えていた。

投稿:by 由利 吉隆 2004 12 06 | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック