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2005.10.27

現場に行くということ(内野博礼)

先日、神奈川県のある老人ホームに行ってきました。

なぜ、私が老人ホームかといいますと、現在ETIC.がNECと
協働で行っている「NEC起業塾」のメンバーである株式会社
K.K.Cの川内くんの仕事の現場に同行させてもらったのです。

川内くんの事業は、様々な理由で介護が必要になった
老親を親に持つ子供や親本人に対して、相談に乗ったり、
時には一緒に施設に見学に行ったりすることで、
最適な老人ホーム選びを支援する仕事です。

超高齢化社会に突入した現在、高齢者マーケットの拡大
に伴い、老人ホームの数は加速度的に増加しています。

しかし、すべての老人ホームが必ずしも、入居する
おじいちゃん、おばあちゃんの幸せのための
ホーム創りをしているとは限らないのが現状のようです。

多額な広告宣伝費を投入できる大資本を持った事業者が
運営するホームが満室になってる。
しかし、高い入居一時金を払って入ってみると、
華やかな広告とは逆で、、、

(ホームを選ぶ側も、居室の広さや駅からの近さなど、
通常のマンションを選ぶ感覚でホームを選択して
しまっているのも問題なようですが)

一方で、先日見学したホームは、おじいちゃん、
おばあちゃんが安全で幸せな生活が送れるように、
本当に細部までこだわってホーム創りをなさっていました。

実際に施設長に3時間にもわたり、ヒアリングを
させてもらいましたが、そのホーム創り、サービスに対する
徹底ぶりは、ホームに入居するおじいちゃん、おばあちゃん
に対する深い深い愛情を感じました。
(入居している方々も、この施設長の大ファンがたくさんいました)

このヒアリングレポートは、近日、川内くんの会社のHPにアップ
されると思いますので、ぜひご覧下さい。
●ピアハート藤が丘
http://www.kaigo-shisetsu.com/archives/2005/10/post_352.html

92歳になるおばあちゃんは、ホーム入る前は病院で車いす
生活だったのに、施設に入居してからは、元気に歩ける
ようにまでなっていました。
また、ほかのおばあちゃんは、
「家に帰りたいと思ったことは一度もない。
 今の生活が本当に幸せだよ」
と話してくれました。

「ここに来る前は共働きの息子夫婦と一緒に暮らしてた。
 マンションにはエレベーターがなかった。
 ベランダの下に見える綺麗な花があっても、窓越しから、
 ただ眺めるだけだった。」

「でも、いまは公園にも連れていってくれるし、
 友達をおしゃべりもできる。
 本当に楽しい。」

このホームに見学に行くまでは、親は家族と一緒に暮らすのが
一番幸せなのではと思っていました。
家族の近くにいることがいいことなんだと。

私の家も実は二世帯住宅です。父母はまだ元気に働いています。
昨年、祖父が他界してしまったので、
隣の祖母は日中は一人で生活しています。
僕自身、毎日忙しく働いていて、
祖母と顔を合わせることがほとんど減ってしまいましたが、
もしかしたら、さっきのおばあちゃんのように「孤独」を
感じているかもしれないと思いました。

「施設に入れることは日本では『姥捨て山』に入れるような
 感覚がある。
 世間や近所の目もあるし、在宅介護で頑張る。
 介護をする子供はストレスが溜まる。
 介護をする側もされる側も疲れ切ってしまう。
 日本には、介護をする側も、心の病になってしまう場合
 が多いんです」

「でも、施設に入っても幸せな人たちはたくさんいるんです。
 施設に入ったからこそ、家族の関係がよくなる
 場合もあるんです。
 いいホームを創ろうと一生懸命に頑張っている
 介護業界の人たちがいるんです。 
 僕は、そういう人たちに注目して、
 これからホームを選ぼうとしている人、
 ホームに入居している人に幸せにしたい。」
 
 「日本の老人ホームをよくしていきたい!」

施設の見学が終わったあと、川内くんは
私に語ってくれました。


今回のホームの見学を通じて、改めて「現場」を見ること、
経験すること、感じることの重要性を認識しました。

NEC起業塾では、応援している若い起業家のモチベーション、
動機、経営状態、事業計画を聞いて、アドバイスをしたり、
応援団になってくれる先輩起業家を紹介したりすることで、
彼らの成長をサポートすることが私の役割です。

インターンのコーディネートにおいても、
インターン生の仕事の状況を聞いて、
コーチングをしたり、時には檄を飛ばしたりします。

しかし、私自身、インターン生の現場を直接知っている
訳ではありません。
実際に、現場で顧客と接し、仕事をすることで「想っている」
「戦っている」のは、彼ら自身なのです。

今回も川内くんの、施設長から信頼をされている姿や、
入居しているおばあちゃんに優しく語りかけている
姿を目の当たりにして、
改めて彼に対して尊敬の念を抱きましたし、川内くんが想像する
「変えたい世界」を共感とリアリティを持って感じられることが
出来ました。

ややもすると、コーディネーターは応援している若い起業家や
インターン生、インターン先の社長との対話が「現場」であり、
それで「分かった気」になってしまうこともありますが、
彼らが直接触れている「現場」こそが「本当の現場」なんだと
思いました。

コーディネーターとして、すべての現場に立ち会うことは
出来ませんが、
「本当の現場」を理解できる人間でありたいと
強く思った一日でした。
これからも出来るだけ、現場に行って、
一緒に「感じたい」と思っています。

川内くん、ぜひ、一緒に「日本の幸せな介護」を増やしていきましょう!

投稿:by スタッフ 2005 10 27 | 固定リンク

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